UMINY: 07/2011

7/18/2011

手紙


ここに、どこにも行けなくなってしまった手紙がぽつり。

いつかあなたが読んでくれる事を願って。


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「Soy Milkは乳(ちち)を大きくする成分が入っているらしいから飲むのやめる」


という彼の意見により、最近ウチは専らAlmond Milkになりました。よって今すすっているコーヒーもAlmond Milk入りです。


Soy Milkはわたしの乳(ちち)は大きくしてくれなかったけれど、


まあ、わたしにとってはどちらでもOKで、
そんな感じで今、コーヒー片手にこれを書いています。


本日は見事な曇り空。横にあなたがいたら「頭痛、大丈夫?」と思わず聞いてしまいそうな、
まさに典型的「どんより」です。今、外を見ていて思い出したんだけど、最近、雨に追いかけられる夢を見た気がする。「気がする」というのは、なんとなくイメージが残っているだけで、


夢だったのかどうかは定かではない、という意味で。


アルケミストの中で、砂や風や太陽が「喋る」でしょ。
わたしの「雨」も喋りだしそうな勢いだったよ。


あなたがウチに寄贈してくれた本、大切に読んでいます。
最近、食い入るように読んだのは『仏教が好き』。


きっとずっと前に借りて読んだ事があったと思うんだけど、これは名著だな、面白い。
政治家なんかよりずっと真剣に「日本」(世界の中における)について考えてると思った。


『こころの声を聴く』の村上春樹との対談の中に、


 『日常のレベルというのは、もっと深い所が動かしている、日常レベルでアップアップしているときに、いや、そうじゃないんだ、もっと深い意識があるじゃないか、そこで自分は生きているんだ、そういうことをやるのが、僕は物語だと思う。』


という河合隼雄の言があって、


形は違うけれど、臨床心理の現場も、仏教も、物語も、ある種の芸術も、そういうライン状にあるんだな、と思ったよ。


数えきれないほどの本たちを媒体にして、わたしとあなたが何気なくしていた会話の中にも、そういうものがあったんじゃないかな、と今になって思ったりしています。


村上春樹の表現を借りれば、「井戸掘り」をしていたんだなあ、と。


むかし、わたしの友人が山登りの話(覚えてる?)をしてくれたけれど、今のわたしとしては「下に降りて行く」イメージの方がしっくりくるな、と。


 『自我を離れてすーっと下に降りて行くと、そこには「存在」というものしかなくなる。ほんとうの底の方まで行くと、ある種の通じ合いのようなものが成立するんじゃないか。』


と、村上春樹は語っていますが、


「これって仏教じゃん」


だから彼が仏教徒だというんじゃなくて、


ああ、仏教って宗教じゃないのかもな、と。


もちろん、宗教に属するんだろうけれど、その考え方というか、涅槃に至るプロセスみたいなものは、ものすごく「心理学」だなあ、と。
だからといって「心理学=仏教」という訳でもないんだけれど。




『海辺のカフカ』のナカタさん、


あのズレた話し方の「ズレ」の中には、ものすごく、果てしなく、下の方、底の方まで降りてしまってもう、ほとんど悟りの境地に至った生き仏みたいな雰囲気があるよ。
だからきっと猫ともお話ができるんだ(笑)


だってあの人の名前、「サトル」だもの。


村上春樹がそこまで意図していたかどうかはわからんが。




昼の12:00ごろからこれを書き始めて、もう今2:15です。
かなり時間かかってるわ。前からそうなんだけど、時間かかるのよ、手紙書くの。
まだごはんも食べてませんけど、ビール飲みます。
本当はワインが好いんだけど、買いに行かねばならぬので今はビール。


酒と言えば、わたしは相変わらず毎日飲んでいる訳なんですが、
こないだ近所の酒屋さんで LELLET(白)を見つけて思わず買ってしまった。


楽しかったな、あのビストロ。


大食いのアジア人女2人が「LELLETの酒瓶を見せろ」とお店のお姉さんに絡むの図。
映画にして欲しいわ。


『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のわたしのすごく好きな場面、主人公の男性と図書館の女の子(胃拡張の)が2人でイタリア料理を食べに行くところ。
シェフもびっくりするくらいの、ものすごい量の料理を2人でぺろりとたいらげて、食後にシェフがあいさつにテーブルに来るシーンがあるんだけど、


あのディナーは、わたしのなかではそれにものすごく近かって、思い出すたびにニヤニヤしてしまいます。


あらら、かれこれ4時間近くなってしまった。
ビール飲んで、ポテチ食べていたら本格的にお腹が空いてきたので、やきそば作ろうかと思います。


しのびも起きてきて、窓際に丸くなって外を見ています。


気が付いたらちょっと太陽が出てきてた。


いいね、なんかこういう午後も。ゆったりです。


また書くね、いつかまたお目にかかれる日を楽しみに。


5. 01. 2011